批評を書き溜めてアルバムを作ることを目指しています。(まず10本)

「【映画評】<映画>と<映像>のリミットを往還する―ジャハール・パナヒ『これは映画ではない』『人生タクシー』論」(前編)(後編) 「【ロング書評】ジャック・デリダ『アーカイヴの病』を読む」(前篇)(後篇) 「【映画評】沈黙、発話、発達~映画『…

2020年までにノンフィクション100冊マラソンを達成したいなと考えています。

以下は、マラソン本のインデックスです。1件当たり、600字から800字くらいまででコンパクトに感想を書きたいと思います。2018年は、60冊目まで何とかいければと思います。23冊目:杉田俊介『宇多田ヒカル論』(2018.1.4) 24冊目:トルーマン・カポーティ『…

三歩後退一歩前進シリーズ

よく言われる「つまらない私語り」ですが、不惑を迎え、自らを振りかえることにしました。また、日々の生活で考えたこと、改善していきたいことも書いていきたいと思います。自らの怠惰に喝を入れ、愚かさで滅び行く社会の中でも、快活に生きていける足掛か…

「レジリエンス」の鍛え方

今までとは少し趣向が違う本となりますが、ノンフィクションマラソン32冊目は『「レジリエンス」の鍛え方』です。 世界のエリートがIQ・学歴よりも重視! 「レジリエンス」の鍛え方 作者: 久世浩司 出版社/メーカー: 実業之日本社 発売日: 2014/02/28 メディ…

沸点

ノンフィクションマラソン、31冊目は『沸点』です。史実そのものではないですが、史実を基にしたグラフィックノベルです。 増補版 沸点ーソウル・オン・ザ・ストリート 作者: チェ・ギュソク,クォン・ヨンソク,加藤直樹 出版社/メーカー: ころから株式会社 …

劇場版若おかみは小学生!

劇場版「若おかみは小学生!」予告編 ネットでの評判がよかったので『劇場版「若おかみは小学生!」』を見てきました。とても新鮮だったのは、ストーリーの中で、3つのベクトルが同時に多声的に働いている点です。 1つ目のベクトルは、主人公おっこが様々な…

現在進行形の道徳的戦場へヤングアダルトを連れていく~梨木香歩『僕は、そして僕たちはどう生きるか』論(後篇)

(前篇はこちらから) tsubosh.hatenablog.com (2)『僕は、そして僕たちはどう生きるか』 梨木は『君たちはどう生きるか』がブームになっている一因として、今の大人たちが昔の大人たちの「育む力」に圧倒されているからではないかと推測している。 我々は…

現在進行形の道徳的戦場へヤングアダルトを連れていく~梨木香歩『僕は、そして僕たちはどう生きるか』論(前篇)

梨木香歩著『僕は、そして僕たちはどう生きるか』は、理論社のウェブマガジンで連載された後、2011年(平成23年)に書籍化された本である。(本稿では、岩波現代文庫版を使用する。本文括弧内のページ数は岩波現代文庫版のものである。梨木香歩『僕は、そし…

人間の解剖はサルの解剖のための鍵である

ノンフィクションマラソンマラソン30冊目は『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』です。 人間の解剖はサルの解剖のための鍵である 作者: 吉川浩満 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2018/07/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を…

『ワンダーウォール』雑感

www6.nhk.or.jp 話題のTVドラマ『ワンダーウォール』を見ました。『ワンダーウォール』とは吉田寮廃寮問題を扱ったNHK京都放送局制作のTVドラマです。脚本が渡部あやさんということで、以前見た『その街のこどもたち』のことも思い出しました。 www.youtube.…

方丈記私記・方丈記

ノンフィクションマラソン28冊目、29冊目は『方丈記私記』『方丈記』の2冊です。実はこの文章は、「1冊の本を書くための「本の読み込み方」」という講座に参加して書いたものです。講座からは大変な示唆を受けました。それを含め、最近考えたことは別の記事…

軌道

前回の更新が4月末ですので、随分ご無沙汰になります。前回、上野英信の本を取り扱うと書きましたが、前言撤回して他の本を数冊紹介します。27冊目は『軌道』です。大変示唆に富む本でした。 軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い 作者: 松本創 出版…

三歩後退一歩前進(その9)

前回の記事で書き忘れたことがありました。せっかく東京に住んでいるので、いつかG1クライマックスを観に行きたい!なかなか、忙しくて行けないのです。 前回、大学時代に聴いていた音楽について書くと言いました。また、論が脱線してしまいますが、少し思う…

三歩後退一歩前進(その8)

そういえば、今年、私は厄年でした。男性は、満25歳、42歳、61歳に、災厄に逢いやすいと言われています。迷信深くはないのですが、この頃、散々な目にあっているため、厄除けに行ってきました。 さて、満25歳の頃を思い返したとき、その頃もなんか行きづまっ…

追われゆく坑夫たち

年度末&年度始めと忙しく全く本が読めませんでした。ただ、社会人ならこのような時期があるのは仕方ありません。ぼちぼちでも本が読める環境に感謝して、再スタートです。日本の代表的な記録文学もコツコツ読んでいきたいと思っています。 追われゆく坑夫た…

沈黙、発話、発達~映画『デトロイト』を活動理論で読み解く(後篇)

(中篇はこちらから) tsubosh.hatenablog.com 2 映画『デトロイト』を活動理論で解読する 映画『デトロイト』は、1967年にデトロイトで起こった「デトロイト暴動(反乱)」(Detroit riot)を描いた映画である。ただ、その暴動(反乱)の全体像を描くとい…

沈黙、発話、発達~映画『デトロイト』を活動理論で読み解く(中篇)

(前篇はこちらから) tsubosh.hatenablog.com 1.2 『拡張による学習』 拡張による学習―活動理論からのアプローチ 作者: ユーリアエンゲストローム,Yrj¨o Engestr¨om,百合草禎二,庄井良信,松下佳代,保坂裕子,手取義宏,高橋登,山住勝広 出版社/メーカー: …

沈黙、発話、発達~映画『デトロイト』を活動理論で読み解く(前篇)

本稿では、フィンランドの教育哲学者ユーリア・エンゲストローム(Yrjö Engeström)が提唱する文化-歴史的活動理論(本稿では「活動理論」と短縮します。)について『拡張による学習』を中心に紹介するとともに(前・中篇)、2018年1月に日本公開された『デ…

南方熊楠

ノンフィクションマラソン25冊目は、南方熊楠の概説書(新書)です。 南方熊楠 - 日本人の可能性の極限 (中公新書) 作者: 唐澤 太輔 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2015/04/24 メディア: 新書 この商品を含むブログ (6件) を見る 熊楠の在り方は、…

結果が出ました

シリーズ前回、「自分への戒め」のため点数を書くと言った行政書士試験の結果が出ました。結果は300点満点中192点で「合格」でした。実勉強期間が9月からと2か月強だったためあまりよい点数ではありませんが、2か月固めて勉強するよい機会となりました。 想…

デトロイト

キャサリン・ビグロー監督の『デトロイト』を見てきました。 『デトロイト』予告編/シネマトクラス この映画は、1967年夏にアメリカ合衆国デトロイトで起きた暴動を描いた映画です。映画の始めはデトロイトで起きている暴動をニュース映像などを使って<外…

冷血

ノンフィクション24冊目は、ノンフィクション・ノベルの代表作、トルーマン・カポーティの『冷血』です。お正月休みに一気に読みました。 冷血 (新潮文庫) 作者: トルーマンカポーティ,Truman Capote,佐々田雅子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2006/06/28…

宇多田ヒカル論

少し時間があいてしまいましたが、ノンフィクションマラソン23冊目です。このペースで大丈夫なのでしょうか…。さらに「ノンフィクション」というものの境界もわからなくなってきていますが、今回はポピュラー音楽の批評本です。 宇多田ヒカル論 世界の無限と…

ノンフィクション100冊マラソン(~2017年)【倉庫】

1冊目:澤地久枝『密約』2冊目:斎藤茂男『父よ!母よ!』3冊目:コリン・コバヤシ『ゲランドの塩物語』4冊目:河上肇『貧乏物語』5冊目:NHK「無縁社会プロジェクト」取材班『無縁社会』6冊目:杉山春『移民還流』7冊目:ラビア・カーディル『ウイグルの…

【ロング書評】ジャック・デリダ『アーカイヴの病』を読む(後篇)

(前篇はこちら) tsubosh.hatenablog.com 3.『アーカイヴの病』読解 デリダは様々な引用や比喩を使い『フロイトのモーセ』への批評を複雑に構成する。ここでは細かな分析に立ち入らず、あえて論の大枠を図式的に説明していきたい。 (1)アーカイヴの「ア…

【ロング書評】ジャック・デリダ『アーカイヴの病』を読む(前篇)

1.はじめに この記事(前編・後編)は、ジャック・デリダ『アーカイヴの病』の少し長い書評(紹介)である。 アーカイヴの病〈新装版〉 (叢書・ウニベルシタス) 作者: ジャック・デリダ,福本修 出版社/メーカー: 法政大学出版局 発売日: 2017/01/24 メディ…

【映画評】<映画>と<映像>のリミットを往還する―ジャハール・パナヒ『これは映画ではない』『人生タクシー』論(後編)

前編はこちら。 tsubosh.hatenablog.com 2.『人生タクシー』 (a)内容と形式 Yahoo! Japanの映画ページでは、『人生タクシー』は次のような紹介がされている(2017年12月時点)。*1 カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界三大映画祭での受賞経験を持つ名匠ジャ…

【映画評】<映画>と<映像>のリミットを往還する―ジャハール・パナヒ『これは映画ではない』『人生タクシー』論(前編)

この記事(前編・後編)では、『チャドルと生きる』(2000年、英語題:The Circle)、『オフサイド・ガールズ』(2006年、英語題:Offside)などの作品で知られるイランの映画監督、ジャハール・パナヒが制作した『これは映画ではない』(2011年、英語題:This…

ドキュメンタリーは格闘技である

いろいろやっていて少し更新が滞りました。ノンフィクションマラソン22冊目は『ドキュメンタリーは格闘技である』です。 ドキュメンタリーは格闘技である: 原一男 vs 深作欣二 今村昌平 大島渚 新藤兼人 (単行本) 作者: 原一男 出版社/メーカー: 筑摩書房 発…

イベント行ってきました①(17年10月14日、15日)

10月14日、15日と次のイベントを聞きに行ってきました。 〇哲学と映像の「存在論的転回」@ゲンロンカフェ(10月14日) genron-cafe.jp 〇「柳澤壽男・障がい者ドキュメンタリー傑作選」2本立て上映+トーク@UPLINK FACTORY(10月15日) 【News】10/15(日…