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(月3回以上更新目標)

書評

とにかくノンフィクション100冊マラソンを達成したいなと考えています。

以下は、マラソン本のインデックスです。1件当たり、600字から800字くらいまででコンパクトに感想を書きたいと思います。箱根駅伝だと繰り上げスタートかもしれませんが、とにかく完走します!50冊名:和田洋一『灰色のユーモア』(2020.1.17) 51冊名:倉科…

航路を決める(22年10月)

10月も末となり、すっかり秋の気配が色濃くなってきました。この10月で実感したことは、コロナ禍となって友人と本当に出歩かなくなったなということです。最近、ふと「寂しさ」や「虚しさ」を感じることが多く、この2年強の失われた時間の大きさを想っていま…

力なき者たちの力

ノンフィクションマラソン74冊目は、『力なき者たちの力』です。 力なき者たちの力 作者:ヴァーツラフ ハヴェル 人文書院 Amazon 国内における市民権遵守の責任を担うのは、当然ながら、とりわけ政治・国家権力である。だがそれだけではない。誰もが、一般的…

テアトロン

ノンフィクションマラソン、73冊目は『テアトロン』です。 テアトロン: 社会と演劇をつなぐもの 作者:高山明 河出書房新社 Amazon 要するに演劇は客席なのである。演劇とは「わたし/わたしたち(観客)の知覚の場」であり、演劇の実質とは「わたし/わたした…

日本の歴史をよみなおす(全)

ノンフィクションマラソン72冊目は、『日本の歴史をよみなおす(全)』です。 日本の歴史をよみなおす(全) (ちくま学芸文庫) 作者:網野善彦 筑摩書房 Amazon このような社会的なものの見方は、文字や貨幣などの問題と同じように、日本の社会において、人間…

私たちはどこにいるのか?

ノンフィクションマラソン71冊目は、ジョルジョ・アガンベンの『私たちはどこにいるのか?』です。 私たちはどこにいるのか? 作者:ジョルジョ・アガンベン 青土社 Amazon ジョルジョ・アガンベンは、イタリアの哲学者・美学者です。今回紹介する『私たちはど…

バンクシー アート・テロリスト

久しぶりのノンフィクションマラソン。70冊目は『バンクシー』です。 バンクシー アート・テロリスト (光文社新書) 作者:毛利 嘉孝 光文社 Amazon バンクシーの大型プロジェクトは、工場生産物というよりも、広告会社やイベント会社が行う一回限りのエンター…

コンヴィヴィアリティのための道具

これからずっと置き去りになっていた教育学(生涯学習論)関連の本も読んでいきたいと考えています。今回はその1冊目となります。が、この本が教育学関連の本かというと微妙なところはあるのですが…。 コンヴィヴィアリティのための道具 (ちくま学芸文庫) 作…

航路を変える(21年7月その2)

梅雨が明け急激に暑くなりました。体調はお変わりないでしょうか。写真は家の近くにある中川という川です。思ったより大きな川ですね。氾濫とかしないでね! さて、最近は、必要に迫られ、動画編集と英語という、近年あまり取り組んでいなかったことをやって…

彰義隊遺聞

ノンフィクションマラソン68冊目は、『彰義隊遺聞』です。 彰義隊遺聞 (集英社文庫) 作者:森まゆみ 集英社 Amazon 私たちの世代はすでに明治新政府のしたことは正しい、という史観によって教育され、開国は全、鎖国は悪という思想が前提として、刷り込まれて…

台湾生まれ 日本語育ち

ノンフィクションマラソン67冊目は、『台湾生まれ 日本語育ち』です。 台湾生まれ 日本語育ち (白水Uブックス) 作者:温又柔 白水社 Amazon 友だちの家でお手洗いを借りようとして、―どこで電気を開けるんですか?えっ、と友だちのお母さんが変な顔をしたのを…

ルポ川崎

久しぶりのノンフィクションマラソン、66冊目は『ルポ川崎』です。 ルポ川崎 (新潮文庫) 作者:磯部 涼 新潮社 Amazon 本書を読んで実感させられるのは、たとえ同じ時期、同じ場所に暮らしていても、一人ひとりの経験や感覚は大きく異なり得るという当たり前…

航路を変える(21年6月)

このブログ、月5回更新する予定だったのですが、3か月に1回しか更新してないではないですか。少なくとも1週間に1回程度、更新しないといけないですね。ともあれ、短くてもよいので書いていきます。 独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のため…

自分の薬をつくる

ノンフィクションマラソン65冊目は、『自分の薬をつくる』です。 自分の薬をつくる 作者:恭平, 坂口 発売日: 2020/07/14 メディア: 単行本 自分の薬が必要だと考えているときは、つまりアウトプットするときなのです。(p.270) この本は、著者の坂口さんが…

コンサルタントの秘密

ノンフィクションマラソン64冊目は、『コンサルタントの秘密』です。 コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学 作者:G.M.ワインバーグ,木村 泉,ジェラルド・M・ワインバーグ 発売日: 1990/12/01 メディア: 単行本 これまでの多様性に満ちたコンサルタン…

航路を守る(20年10月)

だいぶん久しぶりの更新となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。この間は公私ともバタバタしていました。写真は新橋に向かう途中で撮影した写真です。スポーツ庁の前あたりになるでしょうか。 さて、Kindleを久しぶりに使い始めました。昔、勉強のため…

演劇とその分身

ノンフィクションマラソン、5冊程度、教育をテーマとした本を読むと言いましたが、いきなりずれます…。63冊目は、アントナン・アルトーの残酷演劇のマニフェスト、『演劇とその分身』です。 演劇とその分身 作者:アントナン・アルトー 発売日: 2015/05/09 メ…

航路を守る(20年8月その2)

皆様、お元気ですか。まだまだ暑い日が続きますね。 相変わらず散歩は続けていて、先日は、王子神谷駅から川口駅まで歩きました。写真はその際渡った新荒川大橋です。荒川って大きな川なんですね。確かにこの川が氾濫するとヤバいです。歩いてみて実感しまし…

知的創造の条件

また勢いが落ちていますが、ノンフィクションマラソン62冊目は『知的創造の条件』です。 知的創造の条件:AI的思考を超えるヒント (筑摩選書) 作者:吉見 俊哉 発売日: 2020/05/15 メディア: 単行本(ソフトカバー) この本は、筆者が「新しい大学論」というテ…

航路を守る(20年8月)

めっちゃ暑いですね。皆様、元気でお過ごしでしょうか。 私は東京から離れることができずお盆を過ごしています。新橋に用事があり歩いていると、飲食店が結構閉店していて、新型コロナウィルスの影響を感じます。あまり外出してはいけないのでしょうが、どう…

航路を守る(20年7月その3)

皆様、お元気でお過ごしですか。四連休ですが旅行もいけずつぶれそうです…。その代わりではないのですが、昨日、日暮里から王子まで1時間くらいかけて歩きました。少し疲れましたね。昨日撮ったわけではないのですが、写真は、その王子駅近くの写真になりま…

給食の歴史

ノンフィクションマラソン61冊目は、『給食の歴史』です。とても面白い本でした。 給食の歴史 (岩波新書) 作者:藤原 辰史 発売日: 2018/11/20 メディア: 新書 日本給食史は、制度の歴史であるだけでなく、運動の歴史でもあった。それは、鉢巻きと団旗で構成…

航路を守る(20年7月その2)

皆様、元気でお過ごしですか。前回の更新から2週間が過ぎてしまいました。写真は、道中寄った高輪ゲートウェイ駅から撮影した写真です。 最近、あまり本を手に取っていなかったのですが、思うところがあり次の本を読んでいました。 思想としての〈新型コロナ…

航路を守る(20年7月)

皆様、いかがお過ごしでしょうか。写真は、お台場のレインボーブリッジです。 私は、徐々に外に出て体を動かしています。休日は1時間くらい歩くのが習慣になっていて、体がとても喜んでいるのがわかります。コロナが再流行し、再び自粛生活が始まっても散歩…

言語と行為

久しぶりに哲学の本を読みました。 言語と行為 作者:J.L.オースティン 発売日: 1978/07/01 メディア: 単行本 そしてこれら失敗に終わる事例においてなされた発言については、それを偽であるというべきではなく、むしろ一般に不適切(unhappy)であるというべ…

教育の職業的意義

ノンフィクションマラソン59冊目は『教育の職業的意義』です。 教育の職業的意義―若者、学校、社会をつなぐ (ちくま新書) 作者:本田 由紀 発売日: 2009/12/01 メディア: 新書 戦後の経済復興や社会の民主化・平等化が高校進学率を急速に押し上げたという「教…

航路を守る(20年5月)

皆様、いかがお過ごしですか。 各種報道によると非常事態宣言の解除が近づいているようで、内心ホッとしています。手帳を見ると3月23日頃から真っ白になっていて、この時期から空白な時間が始まっています。例年、この時期は年度の切り替わりの時期で忙しい…

黒檀

ノンフィクションマラソン58冊目は、リシャルト・カプシチンスキ『黒檀』です。 黒檀 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集) 作者:リシャルト・カプシチンスキ 発売日: 2010/08/11 メディア: 単行本 ヨーロッパ人は、アフリカにいても、そのごく一部しか…

航路を守る(20年4月下旬)

皆様、いかがお過ごしですか。 私はずっと自粛生活を続けています。自粛生活だと気分転換が難しいですね。体調はよいのですが、何もする気がせず、昨日、今日と1ページも本を読めずじまいでした…。 コロナの話題は気が乗らないのですが、1点だけ報告します。…

残業学

ノンフィクションマラソン57冊目は、『残業学』です。 残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? (光文社新書) 作者:中原淳,パーソル総合研究所 発売日: 2018/12/12 メディア: 新書 残業という現象は、物理現象ではありません。組織の現象であり、…