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ペンと剣

『ペンと剣』(エドワード・サイード著 クレイン)を読みました。

いつものサイード節全開ですが、時折、鋭いなと思わせる箇所ありです。例えばカミュ植民地主義との関連で批判する箇所などです。また、こんな記述もどきっとさせられます。

ご存知かもしれませんが、映画に出てくるテロリスト、つまりイスラム教徒やアラブ人はほとんどイスラエル人が演じているんです。驚いた話でしょう。アラブ人の役者は使わない。こういう役柄を引き受けるアラブ人の役者が見つかるとも思えませんが・・・。イスラエルでは、撃たれ役や殺され役のアラブ人を演じるエキストラや代役をプロデュースする商売が、小さいながらも繁盛しているんです。(p129)

イードの論理は一本筋で、悪くいえば図式的ですが、複雑な歴史的状況を踏まえて文化を論じようとする姿勢には共感します。