遅ればせの前口上

みなさま。tsuboshです。40コンテンツを超えたところで、遅ればせの前口上を。

僕はよく語られるインターネット礼賛は正直嫌いです。そもそも技術の進歩は必ずしも人を幸せにしないと考えていますから。しかしインターネットには1つおもろい特徴があります。それは「リンク」という考えです。

たとえば、イラク人質自己責任論が昨年噴出しましたが、この事件のことを詳細に覚えている人は今何人いるでしょうか?今、自己責任論関連の本を読み、ブログの記事をアップする。この行為は、今の日本の状況を、忘れかけた2004年という時点と「リンク」させ、対象化することです。近い時点・遠い時点の記憶が、意外なかたちで、現在と「リンク」していく、「リンク」というものを得意とするメディアによって。

テッサ・モーリス=鈴木は、歴史を扱う際、さまざまなメディアが持つ可能性を述べた本のなかで以下のように言っています(『過去は死なない』2004年 岩波書店

「換言すれば、インターネットとは、過去の知識が、文字通り破片(ビット)となって、こちらにやってくる領域である」(p.270)

鈴木はここから、インターネットは、歴史を断片化し、恣意的にリンクさせてしまうメディアであり、歴史を語る際に必要な高い視点から整合的に記憶を整序する(「全体化」)作業には向かないメディアであると主張します。確かに彼女の主張は正しいと思います。しかし、断片化とリンクづけが意外な効果を生むこともまた真実だと私は考えています。

Random-Access Memoryというタイトルは、そんな考えからつけられました。よろしくおつきあいのほどを。