自分の仕事をつくる

『自分の仕事をつくる』(西村佳哲著 晶文社)
を読みました。

「いつでも、どこでも、誰とでも働くことの自由を、自分自身の力で獲得すること」(p259)

本書は、この言葉にあるように、仕事を自分のものとすることを主張します。この本で取り上げられている人は、いわゆるクリエーターが多いです。しかし総じて、すべてよい仕事をしている人は、仕事を自分の生活の一部として考えているとも主張されています。

こういわれて考え込んでしまったのは、哲学でいう「全体性」の問題です。ここでいう「全体性」論とは、近代社会では、機能分化・官僚制化が進み、社会の全体的な姿が見失われる傾向がある、そこであらためて社会の「全体」的な姿を復権する必要があるという論です。哲学的な問題として浮上するまで、現在、社会の全体像をつかむのは難しいです。それは社会を構成する「仕事」というものにもあてはまります。

かくいう私も、仕事では、目の前の仕事に気をとられ、全体的な連関を把握できなくなることが多い。更に自分の生活と、仕事との関係となると、相当に道遠しという観があります。

この本に登場する人は、自営業なり、比較的小規模な企業体を選択している方が多かったような気がします。確かに、小回りがきき、生活との関係、社会との関係など、全体連関を把握しやすいかもしれません。

しかし、今、自分が、相当に官僚制的なところに勤めている以上、それはそれで、自分の問題として、なんとか全体連関を考えていかねばと感じてしまいました。