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旅立ちの時

旅立ちの時
gyaoで放映していたので13年ぶりに見ました。

この映画は私の高校時代のベスト作品だ。

大学時代にリバーフェニックス好きの先輩から「『旅立ちの時』ってNHK的だよね」といわれ、それ以来避けていた映画でもあった。(NHK的=教育的という意味でとっています。)

高校時代は「すごい映画に出会った」という興奮が先にあったけど、13年後の今、冷静に見直してみると骨太ながら繊細な素晴らしい作品だと実感した。

「骨太」というのは、実はYahooのレビューを読んでいて気づかされたことだけれども、この映画が「権力に反抗する人間をどう描くか」というテーマを持っているということだ。今回初めて知ったことだけれど、この映画の監督は「12人の怒れる男たち」の監督である。一貫して社会派と呼ばれる作品を作っている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%89%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%83%E3%83%88

社会派の作品は一歩誤ると人間を描けなくなる。「正義の闘士」か「悪のテロリスト」かになってしまうのだ。権力に立ち向かう人間も、恋をし家庭を持つ普通の人間である。そこをきちんと書かない限り、いい映画とはならないし、真の意味での「社会派」の作品にはならないと思う。

この映画の「繊細さ」は監督の人間を見る目の豊かさを感じさせる。