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12人の怒れる男[リメイク版]

ニキータ・ミハルコフの「12人の怒れる男」リメイク版を見た。

http://www.12-movie.com/

はっきりいって「設定勝ち」だと思う。現代ロシア版「12人の怒れる男」という設定の。舞台をロシアに設定することで、オリジナル版「12人の怒れる男」特有のアメリカ民主主義的・合理的要素が消える。登場人物の会話も、まったくアメリカ的ではなく、ほとんど裁判と関係ない話を延々続けるロシア的(ドストエフスキー的といってもよい)会話となる。本当にこんな会話で有罪・無罪を決めてよいのかと思うほど。

全員が普段の生活のなかで吐き出せないものを会議のなかでひたすら吐き出し続ける。登場人物1人1人のエピソードが、観客の胸をつかむ。

あえて難点をつけるとすると、ロシアとチェチェンの関係が映画できちんと描かれていないこと。少年がどんな悲劇を経てきたかいまいちわからなかった。