『なぜ日本は没落するか』(森嶋通夫著)
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を読みました。
大学院時代に、先生から森嶋氏の著作を勧められていたが、ずっと手つかずでした。また私が経済に疎いところもあり、いわゆる「積読」状態に・・。最近、経済に疎いのはまずいなと思っているので、「えいやっ」と読んでみた。
感想は非常に鋭い人だ、やはり「科学」をしっかり勉強した人は違うなというもの。
鋭いと思った点は、
●予測を立てるのに人口論的な切り口を用いた点;
50年後の経済状況はわからないが、50年後にいまいる10代が実権を握った社会がやってくる、だから今の10代を分析することで、おおまかな予測を立てることができるという考え方。
●政治的イノベーションが経済においても大事な点;
そうなんだと初めて知る。下の比喩はわかりやすい。
経済は帆船に小さなエンジンがついているもので、大きな風が吹くとスピードが上がる。加速の大部分は風の力だ。政治的イノベーションこそ「大きな風」だ。(p154)