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親族間殺人と新自由主義に相関性があるか

亀井静香金融担当相が、
親族間殺人の割合が多いことについて
経団連の責任であると発言しました。
(「去年から日本は殺人事件の半分以上、
親子、兄弟、夫婦の殺しあいになっちゃった。」)


亀井さんの最近の行動には共感する点が多々あるのですが、
この報道をはじめて聞いたとき、少し違和感を感じました。


責任の所在を巡る話の前に、事実の問題として、
「そもそも日本は親族間殺人の方が多かったのではないか、
それほどの統計上の数値変動が起きたのか」という点が、
私の頭をよぎったのです。


そこで少し調べてみました。


小泉政権が平成13年4月26日〜平成18年9月26日なので、
平成12年と最新の統計を比べて事実検証を行いたいと思います。


使用した統計は以下の通りです。




http://www.npa.go.jp/toukei/keiji4/mokuji.htm
平成12年の犯罪(警察庁)53
http://www.npa.go.jp/toukei/keiji37/h20hanzaitoukei.htm
平成20年の犯罪(警察庁)56


平成12年は、計1219件中、親族間殺人は514件(約42パーセント)、
平成20年は、計1120件中、親族間殺人は558件(約50パーセント)と、
平成12年と平成20年を比較すると、
親族間殺人の割合が増えていることがわかります。
(親族を被害者「実父母〜その他の親族」の範囲でとっています)
(⇒上のリンクの統計数値をもとに読者の方も検証してみてください。)

もう少し時間軸を広げて調査しないと正確性に欠けますが、
この結果には少し驚きました。
事実判断として誤っていない可能性があります。



ただなぜこういった事象が起きているのか、
間違いなく「経団連」のみで説明はできないかとは思います。
なぜ親族間殺人が増えているのか、
増加プロセスの確認を行っていく必要があるでしょう。

■追記



真夜中に調べており、あまりにも心配になったので、
他のサイトできちんと検証していないかを確認しました。


「犬と猫のさかな」さんが、『犯罪白書』を使って
時系列に沿ったきちんとした分析をされていました。


http://yaplog.jp/nemoshun/archive/69


結局のところ、件数も微増傾向があるものの、
「分母の総殺人件数が減少したため、
相対的に親族間殺人の割合が増えた」
という解釈が、妥当かと思いました。