「空気人形」(是枝裕和監督)を見てきました。
http://www.kuuki-ningyo.com/index.html
ちょっとすごいですね。脱帽しました。
昔、是枝さんの「誰も知らない」を見たとき、
ドキュメンタリー的すぎて、苦手だったのですが、
今回は完全なフィクションになっていました。
この映画の射程は、「都会人の空虚」というありきたりの次元を超え、
もう一段深いところへ届いています。
そもそも人は心に空虚を抱えざるを得ず、
空虚を抱えているからこそ、
他者とつながりあうことができるというのが、
この映画が示している1つの考えです。
こうした監督の考えが比較的明るい調子で前半に描かれます。
しかし空虚を埋めようとする行為は、
ともすると均衡を失ってしまいます。
人は空虚さを抱えているがゆえに、
暴力もふるってしまうのです。
物語の最後のあたりで、数分、
これでもかというシーンが展開されます。
空虚を抱える人間の業を、
「空気人形」というモノを使うことで、
是枝さんはうまく描き出しています。
でも空気人形のポスターに写っている
主演女優のペ・ドゥナさんはすさまじくかわいいです…。
見とれてしまいました。