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インビクタス‐負けざる者たち‐

クリント・イーストウッドの新作、「インビクタス‐負けざる者たち‐」を見てきました。
http://wwws.warnerbros.co.jp/invictus/

この映画、実はそれほど期待してはいなかったのですが、まとまったよい映画となっていました。

この映画のキモは、マンデラを、徹頭徹尾、"政治的な存在"として描いていることだと、私は考えます。その視点が単なる「スポーツ感動もの」と違った視点をこの作品のなかに導入しています。

マンデラが、白人に対する赦しや和解を唱えたのは、彼に人徳があったからではなく、国家統合のために赦しや和解のプロセスが必要だったからです。復讐心や私的感情を極限まで抑え、家族を犠牲にしてまでも、マンデラが和解を進める姿が描かれます。

マンデラは国家統合のためにラグビーチームを活用しようとします。おそらくマンデラは本当はラグビーには興味がなかったでしょう。ラグビーを徹底的に政治に利用するのです。ラグビーチームがW杯で優勝した時に、マンデラは主将に極めつけの言葉を言います。

「諸君らの貢献に感謝する」

「勝利」を喜ぶというよりは、国家統合への「貢献」について感謝をするのです。

感動というよりは、分断された国家を統合する方法について、レクチャを受けた感じとなりました。