「在日」の思想

新編「在日」の思想 (講談社文芸文庫)

新編「在日」の思想 (講談社文芸文庫)



最近、在日外国人の地方参政権や、
朝鮮学校の無償化除外の議論があります。


このブログは、断片的にとどまるにせよ、
現在の事象を、過去の様々な書籍などを参考にして、
幅広い視点から捉えなおそうというコンセプトで運営されています。


金石範『「在日」の思想』は、
今日このご時世だから読まれるべき本だと思います。
非常に文章がうまく、一気に読ませます。


前半が「在日」の国籍をめぐる論考、
後半は済州島四・三事件について書かれています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%88%E5%B7%9E%E5%B3%B6%E5%9B%9B%E3%83%BB%E4%B8%89%E4%BA%8B%E4%BB%B6


参考になる一編をご紹介しましょう。
金石範は「帰化」について、留めることのできない流れと捉えつつ、
反発を感じる理由を以下のように書いています。



「『在日朝鮮人帰化』に紹介されている何篇かの法務省入国管理局による在日朝鮮人に関する論評には、どれも一致して『少数民族化』の危惧が強調され、それが治安的発想と結びついているのが特徴である。そしてそれの根本的な解決方法が『帰化』であり、『帰化こそ国家百年の大計と考えねばならない』とする各人の声が随所にみられる」(p35)

昔の(今も?)法務官僚は、
在日を少数民族論の視座で見ていたのです。
しかし、最近のメディアの議論からは、
少数民族論」という観点があった(ある)ということさえ、
聞いたことは、あまりありません。


ものを考える際、近視眼にならないことを、
自戒を込めて引用しました。
(もちろん私は「少数民族」論→帰化論を是とするものではありません。)