電子図書館

電子図書館 新装版

電子図書館 新装版

今頃になって読みました(汗)。
ヨイショも批判もせず、以下、感想を淡々と。


長尾さんの先見の明は確かにすごいと思いました。
それ以上にこの本が書いている未来像が
ネット上ではかなりの程度実現していることに驚きました。


長尾さんは、電子図書館になると、書物という単位が解体され、
目次や項といった単位が重要になるという論をたてていますが、
これはかなりの程度、納得できます。


たとえば統計データを検索する際、OPACはあまり役に立ちません。
といっても全文検索が有効というわけではありません。
調べ方によっては、ノイズの多さに、
音をあげてしまう可能性があるからです。
たとえば、統計表の塊を、検索語「人口」で検索したら、
エライことになるのは目に見えています。
そこで書誌と全文の間にある目次や項の情報が必要になるわけです。


このように長尾さんは、検索技術の発展とともに、
書物」という単位が無効化されていく必然性を書いています。


書物という単位消滅後の大きな問題としては、
断片化した情報の扱い方に、
読者が慣れる必要があることだと思います。


というのも断片となった情報には、
文脈を意識させる要素が希薄になるからです。
断片化した情報を、文脈を無視してつなぎ合わせるとき、
トンデモなものが出現する可能性があります。
小説を断片化することができないのは、文脈の芸術だからです。


もちろんネットにはハイパーリンクという面白い道具があり、
文脈情報を新たに作り出すことができるのですが。


常識的な話となりましたが、こんな感想となりました。


■参考
遅ればせの前口上
http://d.hatena.ne.jp/tsubosh/20051023/1129997480