電子書籍の真実

電子書籍の真実 (マイコミ新書)

電子書籍の真実 (マイコミ新書)

 非常に面白い本でした。どの点が面白いというと、綿密な現状分析に加え、日本での電子書籍導入史と呼べるものが著者の実経験に沿って記載されており、地に足のついた電子書籍議論になっている点です。課題として挙げられているフォーマット(日本語の特殊性)、流通、著作権、いずれも説得力のあるものでした。

 また以下の点も興味深いものでした。言われてみればそうだと気づきました。それぞれの業界にはそれぞれの文脈(ローカルルール)があり、それらは歴史的に生成してきたものです。これらを無視して物事を進められないはずです。ですがなんでこんなことになっているのでしょうかね。不思議です。

新聞広告における書籍広告は、特別な取り扱いを昔から受けています。全国紙の場合、朝刊の1面から3面までは原則としてすべて書籍広告となっており、さらに媒体費用の点でも、その他の商品に比べて安くなっているのです。一方電子書籍などは単独では書籍広告扱いとはされず、雑品広告として書籍広告よりも高い料金とされているため新聞広告が使いにくい状況が存在します。(p.140)