漆百科

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 とある事情から漆の歴史を調べる必要があり、この本を読みました。「モノに歴史あり」という感じです。以下の2つのパッセージが印象に残りました。

金色に輝く金が注目され、薄い金箔が漆ではってあることに気づく人は少ない。しかし視点を変えてみると、金閣寺は三階の内部をはじめ全体が漆塗りの建物であり、漆の欠点である太陽光線の紫外線を遮断するために金箔をはった建物とみることができる。(p.7)

この漆・漆器産業の栄光は、原料の漆と国内需要を基盤とする自給自足の経済体制の経済体制下において実現したものであった。しかし、幕末から始まり明治維新を経て本格化する経済の国際化は、漆・漆器産業の基盤を大きく突き崩すことになる。すなわち原料漆の生産激減と輸入漆の急増、および漆器需要の構造的な変化である。(p.105)