Random-Access Memory

(月5回更新、累計1000記事目標)

ブックビジネス2.0

『ブックビジネス2.0』を読みました。

この本の概括的書評は、多くの方がされると思います。ここでは私の問題意識にそって、感想を書きたいと思います。

【前振り】
ノンフィクションに興味があり書いてみたいと話した際、「作家を目指しているんですか」とよく聞かれました。自分の文才のなさもあるのですが、そもそも作家になる気がないため、次の言葉が出てこず、困ってしまうことが多々ありました。このやり取りを2,3回経験したあと、「作家にならない人間がモノを書くことも重要じゃないですか」と言うようにしました。私の乏しい経験から導き出されたものですが、「書かない人間は読まない」という法則があります。ここまでは少し言い過ぎでも「書く人間は読んでいる」と言いかえれば、かなりの程度、妥当な法則かなと自分では思っています。

最近、読書離れといわれますが、本を読め、読めという前に、まず調べて書く仕掛けを作るべきなのではないかと思っていました。それも1人で書くのではなく、集団で作品を仕上げる仕掛けがあればよいのではと感じました。

【本題】
この問題意識を『ブックビジネス2.0』から考えてみましょう。まず岡本真さんの図書館論。

今回の岡本さんの図書館論の要諦は、図書館を3つのレイヤーに分けることにあります。OS(国立図書館の層)、ミドルウェア都道府県立・大学図書館の層)、アプリケーション(市町村立・学校図書館の層)です。

おそらく3レイヤーのなかでは、私の問題意識はアプリ層に当たるでしょう。アプリの図書館層で、地域の具体的な課題を図書館員と専門家と興味ある一般市民が、一緒になって調査をし、それを論文形式に拘らず、それこそ様々なファイル形式で表現することができれば面白いと思います(てかやってみたい)。

岡本さんも書かれていますが、一般社会では「対話」「討論」が欠かせません。学術コミュニケーションでは「真理」が肝心なのですが、一般社会に対して「真理」を押しつけてもまずうまくいきません。「真理」をどう社会のなかで吸収し、いままでの慣習をどういう方法で変えていくのかが、肝心になってきます。

調査→討議→発表→成果物のサイクルを作れば、確実に読書喚起となると思うのですが。

この考えに近いところにいる意見としては、津田さんの「復刊ドットコム」ならぬ「新刊ドットコム」の発想があります。これは公共サービスの枠組みを超え、実際のライター養成装置にも成りうるものかもと思いました。

【これから】
やはり問題意識をもった以上は、努力しないと、かたちにしないと思う次第です。