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(月3回以上更新目標)

2019年12月初旬近況報告(映画・イベント)

11月中旬から風邪も引かず元気に過ごせています。動かないと体が固まるように、生活にも変化を加えていかないといけませんね。

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山形に行ってから、映画熱が高まり、週に1本は映画を見るようになりました。最近見た新作映画は、『テルアビブ・オン・ファイア』と『象は静かに座っている』です。


映画『テルアビブ・オン・ファイア』予告編

『テルアビブ・オン・ファイア』は、知的なエンタメ映画でした。脚本を共同して作るという作業により、対立する当事者がお互いの視点から相手のことを考えられるようになる様が面白いです。


映画『象は静かに座っている』予告

『象は静かに座っている』は、4時間とかなり長い映画なのですが違和感なく見ることが出来ました。2時間版も構想されていたとのことですが、2時間だと映画内に漂う閉塞感を表現できないのではと思います。この映画のカメラはかなり異常で、会話シーンでさえ、登場人物の1人にしかピントが合いません。他者が見えないくらい余裕がない状況であることが、うまく視覚的に表現されています。最後のシーンは、闇(社会のメタファー)のなか、束の間のユートピアが垣間見れるようなシーンとなっています。

あと、『在野研究ビギナーズ』が面白かったので、次のようなイベントに行ってきました。画像はその際いただいたブックリストです。

store.tsite.jp

トークショーかと思っていたのですが、ほとんどの時間が「哲学カフェ」形式で行われました。哲学カフェは初めての経験だったので大変参考になりました。聴衆が、自らの属性と限界の中でどう知に向かい合うか、各々とても個人的な話をしていたのが興味深かったです。学生の方も大学の中では言えないような話を思い切ってしていて、このような悩みを共有できる場は大事だなと感じた次第です。どんな声も、どこかで何かしらの形で尊重されなければならない、最終的に抑圧されてはいけないと思いました。

司会者の方が、問題を解決した気にならず、モヤモヤを感じて帰ってほしいとおっしゃられていたので、一つだけ私のモヤモヤを。イベント自体は大変面白かったのですが、あの対話行為自体が哲学なのかということが疑問に残りました。面白かったからそれでよいのではという意見もあると思うのですが、哲学カフェと名付けている以上、どう哲学的だったのかを考える必要があるのかなとも思っています。元哲学徒としても少し思考を巡らせています。