『マルクス主義者とユダヤ問題』(エンツォ・トラベルソ著 人文書院)
最近興味が、シオニズムとパレスチナの話に向いています。そういうと「またなんでそんな日常生活と関係ないむつかしい話」と言われるのですが、そういうなかれ、考えていくと、結構どころか相当面白いです。世界を理解する上で中東の問題は必須、かつ、中東の問題はユダヤ人問題へつながり、ユダヤ人問題はロシア・東欧へとつながっていく。
上の本は専門書なのですが、ヨーロッパがいかに多様か、その多様さに応じていかにユダヤの解放思想がはぐくまれたのかがわかります。西欧、中欧と東欧でのユダヤ人解放の違い、ユダヤ人のなかでの路線の違い(共産主義とシオニズム)など専門的に勉強になったところも多かったのですが、ヨーロッパってフランスとドイツ、イタリアだけじゃないんだという当たり前のことに気づかせてくれる本でした。