『夕凪の街 桜の国』(こうの史代 双葉社)
を読む。
「夕凪の街」が名作との話を聞いて読んだとき、
「え、これだけ?」との読後感を持った。
しかし「桜の国」を読み進める内に、
プロットとイメージが重層的に連鎖してきた。
(例えば広島にある橋と東京の橋のイメージや、
夕凪と桜のイメージなど)
私見によれば、
この作品は「夕凪の街 桜の国」一体として
よむべき作品だと思う。
悲惨なラストを迎える「夕凪の街」の最後にある、
「この話はまだ終わりません。
何度夕凪が終わっても終わっていません」
というメッセージは、
被爆という悲劇が時代を超えて続く
ということだけを意味しているのではない。
悲劇を悲劇としてのみ終わらせてはならない、
その「終わらせなさへの決意」も意味しているのだと思う。
だから最後に「桜の国」の最後で、
「お前がしあわせになんなきゃ姉ちゃんが泣くよ」と旭に言わせているのだ。
よくわからない? ぜひご一読を
なお下記参考になるURLです。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/bngkkn/hlm-society/WarandLiterature.html
http://www.1101.com/darling_column/2005-08-15.html