- 作者: NHK「無縁社会プロジェクト」取材班
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/11/12
- メディア: 単行本
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http://www.honza.jp/user/Tsubosh/note?entry_id=3404
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Twitterでこのようなツイートがタイムラインに流れてきて吹いたことがあります。
未婚者:「結婚って人生の墓場ですよね」
既婚者:「入れる墓があるだけよいじゃないですか」
このツイート、しゃれにならないほど、この『無縁社会』という本の本質を言い当てています(ちなみに『無縁社会』の中では、かなりの分量、お墓の最新事情が解説されています。)この『無縁社会』では、無縁死を生みだす背景となる「無縁化」(社会・家族からのつながりが断たれ孤立化する人が増えている事象)が分析されるとともに、家族関係を超えた「つながり」の形が模索されています。
ただ、この本の良いところは、無縁社会の実態がわかるという点よりも、社会とのつながりを失いかけている人(また失ってしまった人)の、尊厳に満ちた姿が立ち上がっている点だと、私は考えています。必死に戦後生きてきた人の姿、格差社会に生きる人の姿が、この本のなかには書かれています。記録に値しない人生などないないだという、もっとも基本的な認識に立ち戻らせてくれました。