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近況報告(2019年8月上旬)

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6月、7月があっという間に過ぎていってしまいました。この間、参議院選挙があったり、長く住んだ京都で悲惨なテロ事件があったり、吉本の騒動があったりしました。私は世の中の動きと決してシンクロした生活をしているわけではないのですが、少し思うことがありましたので書いてみたいと思います。

それは、既に多くの方が指摘していることで、とても凡庸な意見なのですが、現代日本の最重要の課題がハラスメント構造の打破にあるのではないかということです。ハラスメントのターゲットは、明確な理屈なく(たとえば、妄想、ルサンチマン、集団的な雰囲気により)感情的に選び出されます。このターゲット選びが、国家、企業、ローカルな集団のレベルで同時多発的に起きている感があります。少し長く書いた「デトロイト論」や「君たちは~」論もこのあたりをぐるぐるしていた感があります。

ハラスメント構造の打破のためには様々なアプローチがあるでしょう。今、話題となっている「あいちトリエンナーレ」のコンセプトに「いま人類が直面している問題の原因は「情」にあるが、それを打ち破ることができるのもまた「情」なのだ。」という一文があります。(申し訳ないですが)コンセプト全文の出来はそれほどよいと思わないのですが、この一文には少し感銘を受けました。近々、実家に帰省する予定ですので、展覧会に顔を出してみたなと思います。

上の写真は、高畑勲展に行ったときの画像です。「かぐや姫の物語」で彼が「線」を発見する過程がとても面白かったです。また、異様に理屈っぽい彼の草稿もいいですね。その理屈を支える彼の「情熱」をひしひしと感じることができました。