とある用事で『ツァラトゥストラ』(ニーチェ)を読みました。下の文章に激しく共感。
「ひとは自分自身を、すくすくとした健康な愛によって愛することを学ばなければならない―これがわたしの教えである。自分自身を失わず、あたりをとみこうみ(注)しないために。そのような、とみこうみが、自ら称して『隣人への愛』というのである。この言葉くらいこれまでに嘘と偽善のために役立った言葉はない。それは世間の重荷になってきた者たちの口もともかく浮かんできた。そしてまことに、自分を愛することを学ぶということ、これは今日明日という課題ではない。むしろこれこそあらゆる修行のなかで最も精妙な、ひとすじではいかない、究極の、最も辛抱のいる修行なのだ。」(岩波文庫版 p84-85)
(注)とみ‐こうみ〔‐かうみ〕【▽左見▽右見】
[名](スル)あっちを見たり、こっちを見たりすること。また、あちこち様子をうかがうこと