Random-Access Memory

(月3回以上更新目標)

賢人ナータン

レッシングの『賢人ナータン』(岩波文庫)を読みました。

「ドイツ啓蒙主義の劇作家レッシングの代表作。11世紀エルサレムを舞台として、ユダヤ教イスラム教、キリスト教の三大宗教融合帰一の途を、巧みな筋立てのうちに示す劇詩」との紹介にあるとおり、宗教的対立を越える「寛容」とは何かを考える作品です。この作品が優れているのは、自身の社会の支配的な宗教(キリスト教)に対する批判的距離の取り方です。そして、何よりも自由を愛し、宗教よりも人間を愛する精神。

宗教的言説に食傷気味であったので爽快な読後感でした。