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ダークナイト

昨日、噂のダークナイトの先行上映へ行ってきた。以下、ネタばれありですよー。

噂どおりの出来。ただこれを子供に見せたら間違いなくトラウマになるでしょう(笑)。

この映画について「善と悪」の問題を取り上げているという批評が多いしそれも間違ってはいないけど、私はこの映画の最大のポイントは「民主主義の限界をどう考えるか」にあると思う。

おいおいと思った人もいるかと思うので以下、その根拠。

この映画のなかでは、何度もジョーカーの挑発にあおられ市民が暴走しようとし、かつ民主主義の手続きにのっとって非民主主義的な決定を下そうとする。ジョーカーも、バットマンも、さらにはデント(検事役)も、態度の違いはあれ、民主主義的な世界を信じていない。(私の記憶だと)バットマンとデントがはじめて話をした際、ローマの寡頭制の会話をしていたように思う。バットマンはデントを優秀な官僚として評価したのではなく、そのカリスマ的な輝きにほれ込んだのだ。

民主主義社会(や、法の支配)への信じなさのベクトルが違い、3者は敵でありながら互いを補完するものとして映画のなかで接近と離反を繰り返す。また「法」の支配が、いかにたやすく「法則」の支配へと陥るかをジョーカーは熟知している。

バットマンは最後に、市民には真実でなく幻想が必要なのだと考え市民社会から外れた「闇の騎士」として生きていく道を選択する。

どうでしょう、あながちおかしな解釈でもないでしょ。

でもこんな大作映画、ほんとに売れるのかな?