冷血

ノンフィクション24冊目は、ノンフィクション・ノベルの代表作、トルーマン・カポーティの『冷血』です。お正月休みに一気に読みました。

冷血 (新潮文庫)

冷血 (新潮文庫)

 

『冷血』もはじめて接したときには、犯人ペリーが説明しがたい衝動から一家四人惨殺の凶行に走るシーンをクライマックスとする不条理な犯罪劇に圧倒された。しかし、今回は、衝撃的な事件の背後から、家族の物語というまた違った相貌が立ちあらわれてくるように思われた。(p.620「解説」)

陰惨な事件がテーマとなっているため、こう言うことに若干の後ろめたさも感じますが、これほど「面白い」小説はなかなかないです。たびたび出てくる夢のシーンからわかるように、登場人物の心象についてかなり突っ込んで書かれているのですが、取材によって得た事実ではなく、カポーティ自身のイマジネーションではないかと感じたところが多々ありました。事実ベースの物語なのですが、随所に小説家独特のセンスが感じられます。