今日、京都まで出て著作権関係の講演、聞きにいってきました。講演者は名和小太郎さんです。
実務的な話というよりも、著作権制度自体を支えている思想的な話というのが面白かったんです。
そもそも著作権が出来たのがフランス革命の時代、ドイツではロマン派が台頭していた時代とのこと。ロマン派には「天才」概念にも見られるように、突出した個人が著作物をなすという前提があります。そこで「私人(個人)の権利を守る」ための著作権が出来上がった。この制度が正確に運用されているかどうか見るのは出版社自体の数が少ないため、比較的容易であった。しかしながら現在は、偉大な個人が一人で著作物を作成する時代でなく、様々な利害関係者が著作物の流通に関係するようになっている。
このような歴史的前提を考慮に入れた上で、現在の著作権法の、社会とのずれを指摘していく手順はスリリングでした。
最近、フランス・ロマン派読んでるのですが、まさか著作権という無機質な世界と関係するとは思わなかったなー。