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文筆生活の現場

『文筆生活の現場―ライフワークとしてのノンフィクション』(石井政之編著 中公新書ラクレ)
を読書中。

あるところで、未読の状態のまま、この本の紹介をするというとんでもないことをしたので、購入し(責任をとってというほどでもないが)読んでみました。

非常に面白いです。

この本を紹介した理由は、ネット上で見かけた武田徹氏の一言が効いたからです。

「まずぼくが問いたいのは、ジャーナリストとして、食いたいのか?書きたいのか?ということです」(p27)

僕の周りにも貧乏しながら、研究を続けている多くの友人(最近は連絡ないです・・)がいます。自分は就職してしまったのだが、食うことをいわば捨て、研究を続ける人に対する尊敬と後ろめたさがあります。でも自分は「食う」ことと「書く」ことの背反をなんとか越えていきたいという旨、ある文章に書いたのでした。

実際に本を読んでみると、食えないという面以上に、一人一人の作者の個性やしなやかさを感じました。特に大泉実成氏と江川紹子さんの箇所。大泉さんの子供からのインタビューは笑えるし、江川さんがオウム事件に関わった理由が、友人であった坂本弁護士に、ジャーナリストとして、オウムについての情報を早い段階で提供できなかったという「後ろめたさ」だったというのは、初めて知って驚ました。きちんと読むものです。反省。