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デモクラシーの冒険

『デモクラシーの冒険』 姜尚中 テッサ-モーリス・スズキ共著 集英社新書

「なぜITは金になるのか?」ずっとこのことがわからなかったのですが、多少腑に落ちる説明かなと思うのがこの本の下の部分です。

「そこで1960年代の後半ごろから、多くの企業が海外に進出しはじめます。というのも、端的に、発展途上国に工場を作れば、低賃金の現地労働力を雇用できるから、人件費を飛躍的におさえることができる。おまけに環境問題の規制も厳しくない。(・・・)ちなみに、第三世界に廉価な労働力をもとめ、現地に工場を置くような生産体制のことをNew Division of Labor(新分業体制)といっていました」(p.55)

「新分業体制を支えているのは、世界各地の低賃金工場同士を結び付けている、情報網の発達なんですね。でも、そういう職場環境では、同じ企業やグループだからといって労働者同士が単純に連帯することが難しくなっている。ミラノの高級ブランド店の店員と香港の裁縫工場の社員は、お互いまったく関係ない」(p.56)

今までグローバリゼーションとIT革命を別物だと考えていましたが浅薄でした。IT革命の裏の「どきつさ」も見ていかねば・・・と思う今日このごろです。