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ウェブ進化論

ウェブ進化論』(梅田望夫著 ちくま新書)を読みました。

新しい話となるとそれほどない気がしますが、インターネットの可能性にかける思いがひしひしと伝わってきました。

それは、たとえば、「シリコンバレーにあって日本にないもの。それは、若い世代の創造性や果敢な行動を刺激する『オプティミズムに支えられたビジョン』である。」(p246)という記述からもわかります。インターネットの可能性は、徹底した情報開示・共有(オープンソース)にあり、既成の権威ではない大多数のネット使用者の知(群集の知)こそネットにおいて大事なのだということは、一つの強烈な思考法であると思います。

特に面白かったのは、すでにアマゾンなどがおこなっている本の中身検索についての議論。普通に考えれば、本の中身までネット上で公開したら<本の売れ行きが鈍くなるのではという疑問が出ます。しかし逆であると著者は言います。

鍵はロングテール、売れ行き商品ではない泡沫商品が検索エンジンとあいまって売れるようになる過程にありました。

ロングテール部分の本など、どうせ忘れられてぜんぜん売れてない。何がきっかけでもいいから、その本が誰かに知られることに価値を見出す。だから『本の中身の検索』は大歓迎なのである。(・・・)『全く売れなかった』本が『1冊売れた』になり、そこから何かが始まるかもしれないからである。」(p102−103)

なんか僕も技術面をしっかり鍛えたくなってきました。。なんか楽しそう。