今までとは少し趣向が違う本となりますが、ノンフィクションマラソン32冊目は『「レジリエンス」の鍛え方』です。
私はポジティブ心理学の知見は「おばあちゃんの知恵」に似ているとよく受講生に話します。ポジティブ心理学の科学的な研究によって判明した結論は、決して目新しいものでないことが多い。しかし、当たり前に思えることを実際にやっている人は少ないのです。(p.171)
最近、「レジリエンス」という言葉をよく聞くようになりました。レジリエンスとはそもそも「復元力」という意味で、心理学の領域では、負荷がかかっても柔軟に対応できる力のことをいうようです。この本は、ポジティブ心理学の見地から、心理的なダメージを受けたときからの回復方法から自分の強みをいかす方法までわかりやすく紹介しています。
先に少し批判的なコメントをすると、この本は少し自己啓発系な方向性を持つ本です。意地悪な言い方をするなら、新自由主義の中で、個人単位での感情の「マネジメント」がいかに重要かを説いた本であるともいえるでしょう。
しかし、私は、最近の組織が、従業員の「弱み」よりも「強み」に注目しつつあるという見解に目を開かされました。これは面白いし、強みをいかせる職場であれば快適に仕事ができます。ゼネラリストを重視する組織にいるため、どの業務でも平均的にこなすことができる人間が社会では求められると思い込んでいた節がありました。どうやって個々の人の強みにフォーカスして組織運営ができるのか、デコボコな人員配置にならないのか、もう少し具体的な議論を知りたいと思います。
また、そもそも自分の強みを自分で把握していないことに気づきました。「あなたの強みは何ですか」と聞かれて、今の私では即答できません。自分の意識が、雑な性格を直すこと、口が軽いのをやめなければいけないという、短所克服に向いていたことに気づかされました。あ、口が軽いのはまずいですね、これは直します!
そして、この本で、ストレングスファインダーという、自分の強みがわかるツールがあると知り早速やってみました。薄々気づかれていると思いますが、私、こういうの大好きです。次の本から無料診断サイトのアクセスコードが手に入ります。
結果は「収集心」「内省」「運命思考」「着想」「成長促進」というのが私の強みとのことでした。たしかに、ゴシップな話題好き(=収集心)、時々、複雑に問題を考え過ぎてしまう(=内省)、なかなか変わったことができない(=運命思考)、が、突然突飛なことを言う(=着想)、ちょっと教え好き(=成長促進)なところはあります。ここを弱みではなく強みに転換できればといいなと考えています。