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(月3回以上更新目標)

近況報告(2018年12月中旬)

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12月中旬も多忙でした…。

日本の生産性がG7の中で最低であるというニュースを目にしました。他の職場・部門で働いている人を見ると私はまだマシな方なのかと思いますが、定例的に超過勤務が続くと、健康面だけでなく、様々な面に悪影響が出るのではと恐れています。私自身のことをいうなら、考える時間やインプットの時間が取れないのが特にまずい気がします。固まった「時間」と「お金」がほしいなあ、このままだとジリ貧で自分の「生産性」が低くとどまってしまう気がします。今は、休日に何かイベントを入れて、最低限の時間の防衛と気を散らしています。また、コツコツでもブログをやって、自分を固めていこうと考えています。ちなみに写真は、再開したお料理教室での料理です。おいしそうでしょう。

12月末にかけてデジタルガジェットを大幅買い替え、お正月休みは帰省です。また下旬に、買い替え関連の記事を上げたいと思っています。

目に見えない世界を歩く

ノンフィクションマラソン33冊目は『目に見えない世界を歩く』です。

新書862目に見えない世界を歩く (平凡社新書)
 

近代以降、人類は「目に見える」世界を拡張するのが進歩なのだと信じてきました。(中略)「目に見えない」世界の入口へと僕を案内してくれたのは、研究で出会った琵琶法師・瞽女など、盲目の宗教・芸能者です。そして、博物館でユニバーサルな(誰もが楽しめる)「さわる展示」を企画・展示する経験を通じて、僕は「目に見えない」ものの意義を実感しました。(p.44)

昔、この著者が書いた岩波ジュニア新書を読んでとても面白かったので、この新書も読んでみることにしました。

さわっておどろく!――点字・点図がひらく世界 (岩波ジュニア新書)

さわっておどろく!――点字・点図がひらく世界 (岩波ジュニア新書)

 

 『目に見えない世界を歩く』は、「全盲」となった筆者が自身の半生を振り返りながら、彼自身の現在の考えをまとめた本です。この本では、第1章の「目が見えない人は、目に見えない世界を知っている」というタイトルのとおり、視覚が重視されがちな現代社会の中での「触覚」や「聴覚」の重要性が説かれています。さらに、著者は、勤務する博物館(民博)で、展示のあり方を変えようとします。展示は、モノを「見せる」ことが一般的だと思うのですが、モノに「触れる」機会を提供するのです。本書では、資料保存との両立や、入館者の触れるマナーについても触れられていて、公共機関での展示に(少しだけとはいえ)興味がある私は興味深くその点を読みました

そして、私はこの本の「映画のバリアフリー上映会」の箇所を読んで、祖母のことを思い出しました。私の母親は韓流ドラマが大好きで、私が帰省中もずっと見ているのですが、字幕をずっと読み上げているのです。初めは何をしているのかよくわからなかったのですが、途中から字があまり読めない祖母のために読み上げていることがわかりました。祖母は字幕でなく母親の音声を介して映像を見ているのです。それは字幕を読む私たちの映像経験と同一なのでしょうか。視覚障害者の方が音声ガイドを頼りに映画を<みる>とき、視覚で捉える映像経験とは異なっているはずです。この本は、感覚の多様性や相互の翻訳についても考えさせられる本でした。

三歩後退一歩前進(その10)

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よく自分の視線の向かう先を考えます。自分が俯きがちで、意識的に上を向いていないと猫背になるからです。

自分の昔を振り返るこのシリーズ、一旦、閉じたいと考えています。今、自分の視線を、「昔」ではなく「未来」へ向けないといけないと考えています。昔、ある記事に書いたことなのですが、40代に入り、目の前のことをこなすだけで、振り回されている感じがしていました。

tsubosh.hatenablog.com

 ただ、その記事を書いたときに気づいていなかったのが、自分なりの到達点(ゴール)の重要性です。自分が何を大事にして、どこを目指しているのかをきちんと意識していないから、振り回されるのだと思いました。最近読んだ次の本にそのとおりだなと思うフレーズがありましたので引用します。

時間の使い方とは結局のところ、自分の価値観を見直し、どういう生き方をしたいかの「意思表示」でもあるのです。時間術とはライフハックではなく「意思」なのです。自分がどういう人間で、何を大切にしているのか、この先、どういう人生を送りたいのかという自分なりの意志と密接に関わってきます。(p.26)

上の写真は、仕事が終わり、市ヶ谷駅まで歩いて撮った写真です。頭をクールダウンさせるために、夜歩くのが大好きです。視線を上げ、明かりがついているビルを見ます。そこに働いている人がいてそれぞれの人生があるのだという感慨を持ちます。人と変わらない普通の人生だが、しかし、芯が入った生き方をしたいものです。

近況報告(2018年12月初旬)

最近、あまり本を読んだり、勉強したりできていないです。多忙が恒常化していますが、自分の時間をきちんと確保したいものです。

スマホタブレットの普及に伴い、写真(更には動画も)を撮ることが簡単になったにもかかわらずあまり活用できていないので、写真をとって日常生活の記録としたいと思っています。1枚目は私が現在住んでいる場所の写真、2枚目がよく行く定食屋(魚角さん)の定食の写真です。住みやすい街です。

記録といえば、とある自己啓発本のきっかけで「4行日記」というものを付け始めました。自分の中で少し記録ブームかもしれません。

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「レジリエンス」の鍛え方

今までとは少し趣向が違う本となりますが、ノンフィクションマラソン32冊目は『「レジリエンス」の鍛え方』です。

世界のエリートがIQ・学歴よりも重視! 「レジリエンス」の鍛え方

世界のエリートがIQ・学歴よりも重視! 「レジリエンス」の鍛え方

 

 私はポジティブ心理学の知見は「おばあちゃんの知恵」に似ているとよく受講生に話します。ポジティブ心理学の科学的な研究によって判明した結論は、決して目新しいものでないことが多い。しかし、当たり前に思えることを実際にやっている人は少ないのです。(p.171)

最近、「レジリエンス」という言葉をよく聞くようになりました。レジリエンスとはそもそも「復元力」という意味で、心理学の領域では、負荷がかかっても柔軟に対応できる力のことをいうようです。この本は、ポジティブ心理学の見地から、心理的なダメージを受けたときからの回復方法から自分の強みをいかす方法までわかりやすく紹介しています。

先に少し批判的なコメントをすると、この本は少し自己啓発系な方向性を持つ本です。意地悪な言い方をするなら、新自由主義の中で、個人単位での感情の「マネジメント」がいかに重要かを説いた本であるともいえるでしょう。

しかし、私は、最近の組織が、従業員の「弱み」よりも「強み」に注目しつつあるという見解に目を開かされました。これは面白いし、強みをいかせる職場であれば快適に仕事ができます。ゼネラリストを重視する組織にいるため、どの業務でも平均的にこなすことができる人間が社会では求められると思い込んでいた節がありました。どうやって個々の人の強みにフォーカスして組織運営ができるのか、デコボコな人員配置にならないのか、もう少し具体的な議論を知りたいと思います。

また、そもそも自分の強みを自分で把握していないことに気づきました。「あなたの強みは何ですか」と聞かれて、今の私では即答できません。自分の意識が、雑な性格を直すこと、口が軽いのをやめなければいけないという、短所克服に向いていたことに気づかされました。あ、口が軽いのはまずいですね、これは直します!

そして、この本で、ストレングスファインダーという、自分の強みがわかるツールがあると知り早速やってみました。薄々気づかれていると思いますが、私、こういうの大好きです。次の本から無料診断サイトのアクセスコードが手に入ります。

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0
 

 結果は「収集心」「内省」「運命思考」「着想」「成長促進」というのが私の強みとのことでした。たしかに、ゴシップな話題好き(=収集心)、時々、複雑に問題を考え過ぎてしまう(=内省)、なかなか変わったことができない(=運命思考)、が、突然突飛なことを言う(=着想)、ちょっと教え好き(=成長促進)なところはあります。ここを弱みではなく強みに転換できればといいなと考えています。