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(月3回以上更新目標)

南方熊楠

ノンフィクションマラソン25冊目は、南方熊楠の概説書(新書)です。 南方熊楠 - 日本人の可能性の極限 (中公新書) 作者: 唐澤 太輔 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2015/04/24 メディア: 新書 この商品を含むブログ (6件) を見る 熊楠の在り方は、…

結果が出ました

シリーズ前回、「自分への戒め」のため点数を書くと言った行政書士試験の結果が出ました。結果は300点満点中192点で「合格」でした。実勉強期間が9月からと2か月強だったためあまりよい点数ではありませんが、2か月固めて勉強するよい機会となりました。 想…

デトロイト

キャサリン・ビグロー監督の『デトロイト』を見てきました。 『デトロイト』予告編/シネマトクラス この映画は、1967年夏にアメリカ合衆国デトロイトで起きた暴動を描いた映画です。映画の始めはデトロイトで起きている暴動をニュース映像などを使って<外…

冷血

ノンフィクション24冊目は、ノンフィクション・ノベルの代表作、トルーマン・カポーティの『冷血』です。お正月休みに一気に読みました。 冷血 (新潮文庫) 作者: トルーマンカポーティ,Truman Capote,佐々田雅子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2006/06/28…

宇多田ヒカル論

少し時間があいてしまいましたが、ノンフィクションマラソン23冊目です。このペースで大丈夫なのでしょうか…。さらに「ノンフィクション」というものの境界もわからなくなってきていますが、今回はポピュラー音楽の批評本です。 宇多田ヒカル論 世界の無限と…

ノンフィクション100冊マラソン(~2017年)【倉庫】

1冊目:澤地久枝『密約』2冊目:斎藤茂男『父よ!母よ!』3冊目:コリン・コバヤシ『ゲランドの塩物語』4冊目:河上肇『貧乏物語』5冊目:NHK「無縁社会プロジェクト」取材班『無縁社会』6冊目:杉山春『移民還流』7冊目:ラビア・カーディル『ウイグルの…

【ロング書評】ジャック・デリダ『アーカイヴの病』を読む(後篇)

(前篇はこちら) tsubosh.hatenablog.com 3.『アーカイヴの病』読解 デリダは様々な引用や比喩を使い『フロイトのモーセ』への批評を複雑に構成する。ここでは細かな分析に立ち入らず、あえて論の大枠を図式的に説明していきたい。 (1)アーカイヴの「ア…

【ロング書評】ジャック・デリダ『アーカイヴの病』を読む(前篇)

1.はじめに この記事(前編・後編)は、ジャック・デリダ『アーカイヴの病』の少し長い書評(紹介)である。 アーカイヴの病〈新装版〉 (叢書・ウニベルシタス) 作者: ジャック・デリダ,福本修 出版社/メーカー: 法政大学出版局 発売日: 2017/01/24 メディ…

【映画評】<映画>と<映像>のリミットを往還する―ジャハール・パナヒ『これは映画ではない』『人生タクシー』論(後編)

前編はこちら。 tsubosh.hatenablog.com 2.『人生タクシー』 (a)内容と形式 Yahoo! Japanの映画ページでは、『人生タクシー』は次のような紹介がされている(2017年12月時点)。*1 カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界三大映画祭での受賞経験を持つ名匠ジャ…

【映画評】<映画>と<映像>のリミットを往還する―ジャハール・パナヒ『これは映画ではない』『人生タクシー』論(前編)

この記事(前編・後編)では、『チャドルと生きる』(2000年、英語題:The Circle)、『オフサイド・ガールズ』(2006年、英語題:Offside)などの作品で知られるイランの映画監督、ジャハール・パナヒが制作した『これは映画ではない』(2011年、英語題:This…

ドキュメンタリーは格闘技である

いろいろやっていて少し更新が滞りました。ノンフィクションマラソン22冊目は『ドキュメンタリーは格闘技である』です。 ドキュメンタリーは格闘技である: 原一男 vs 深作欣二 今村昌平 大島渚 新藤兼人 (単行本) 作者: 原一男 出版社/メーカー: 筑摩書房 発…

イベント行ってきました①(17年10月14日、15日)

10月14日、15日と次のイベントを聞きに行ってきました。 〇哲学と映像の「存在論的転回」@ゲンロンカフェ(10月14日) genron-cafe.jp 〇「柳澤壽男・障がい者ドキュメンタリー傑作選」2本立て上映+トーク@UPLINK FACTORY(10月15日) 【News】10/15(日…

批評ミニアルバム_メイキング1

政治情勢が動いていますが、私は変わらず自分のことを語り続けています(笑)。1本目の批評ミニアルバムラインナップについて決めました。比較的長い記事は、いずれも映画評にしようと思います。ノンフィクションマラソンも、本企画と連動させたいと思ってい…

三歩後退一歩前進(その7)

11月中旬まで更新しないと書いたのですが、早速、前言撤回して書いてしまいます。今回は、思い込みはいけないという話です。 大学院で行き詰まり(いや「息詰まり」といった方が正確でしょうか)、就職することにしたのは20代も後半の頃でした。ただ、就職す…

三歩後退一歩前進(その6)

前回の記事で「『勉強の哲学』をきちんと読み終える」と書きました。最近、仕事関連の勉強に忙殺されていたため、やっと連休中に読むことができました。読み始める前はどんな本なのか一抹の不安がありましたが、筆者の誠実な姿勢に共感を覚えました。また、…

映画の奈落

ノンフィクションマラソン21冊目は『映画の奈落』です。今回は記事自体は短いです。 映画の奈落: 北陸代理戦争事件 作者: 伊藤彰彦 出版社/メーカー: 国書刊行会 発売日: 2014/06/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (8件) を見る 滅法面白いノンフィ…

サンシャイン水族館

8月25日に、職場の同僚とサンシャイン水族館に行ってきました。とても良かったのですが、一人では行くのはハードルが高いかなと…。写真を数枚撮りましたので、記念に貼り付けておきます。今年の夏ももう終わりつつあります。

三歩後退一歩前進(その5)

前回の「三歩後退一歩」シリーズ記事の最後に、「自分の問題意識をたどり直し、きちんと専門領域を決め、1本、論文(的なもの)を書く」ことが、私のオプセッションとして憑りついていることを紹介しました。このオプセッションという言葉でいつも思い出すの…

ぼくらはガリレオ

ぼくらはガリレオ (岩波現代文庫) 作者: 板倉聖宣 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2011/01/15 メディア: 文庫 クリック: 1回 この商品を含むブログ (3件) を見る 自分の住んでいる国の産業や科学が外国よりもとても遅れているときには、外国の産業や科学…

謀反の児

ノンフィクション100冊マラソン19冊目は、宮崎滔天の評伝です。 謀叛の児: 宮崎滔天の「世界革命」 作者: 加藤直樹 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2017/04/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 要するに彼ら[宮崎弥蔵・寅蔵]は、福沢流…

三歩後退一歩前進(その4)

随分と若い友人に「デリバリーお姉さんNEO」というドラマが面白いと紹介されていたのを思い出し、Gyaoで見てみました。無料放送されていた第1話と第3話を見たのですが、第3話にちょっと考え込んでしまいました。私は、今では太ってコロコロしていますが、昔…

ナチスドイツと障害者「安楽死」計画

ノンフィクションマラソン18冊目は「ナチスドイツと障害者『安楽死』計画」です。重い、しかし大事なテーマです。 【新装版】ナチスドイツと障害者「安楽死」計画 作者: ヒュー・グレゴリー・ギャラファー,長瀬修 出版社/メーカー: 現代書館 発売日: 2017/01…

三歩後退一歩前進(その3)

前回の続きです。 私は、中学受験組だったので、塾には小学高学年から行っていました。ずっと行っていた塾は河合塾です。※以下、河合塾の宣伝の意図はないので御承知おきを。 当時の私には、河合塾が、大学だけでなく、知の世界への予備校でした。学校で教え…

三歩後退一歩前進(その2)

大学の授業に付いていけなかった理由は、予備校文化に自分が浸かっていたからかもしれないということを前回書きました。前回の記事を書いた後、色々考えていたのですが、受験勉強文化に浸かっていたといった方がより適切かもしれないと思い直しました。 大学…

三歩後退一歩前進(その1)

不惑を迎え、未来につなげられればと思って、昔のことを振り返る「三歩後退一歩前進」シリーズを始めることにします。 tsubosh.hatenablog.com つい先日、18歳のときの下宿先の近くに行きました。画像は下鴨北小路交差点です。 阪神淡路大震災とオウム事件が…

ニッポンの音楽

ノンフィクションマラソン17冊目です。詳しくない分野(音楽)に挑戦ということで。 ニッポンの音楽 (講談社現代新書) 作者: 佐々木敦 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2014/12/17 メディア: 新書 この商品を含むブログ (22件) を見る ひとが音楽家になる理…

最暗黒の東京

ノンフィクションマラソン、これからは古典と最近の本をローテしていきたいと思っています。さて、16冊目の今回は古典のパートです。 最暗黒の東京 (岩波文庫) 作者: 松原岩五郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1988/05/16 メディア: 文庫 クリック: 1,0…

ありがとう トニ・エルドマン

そういえば、最近、ヨーロッパ映画ばかり見ている気がします。 【予告編】映画『ありがとう、トニ・エルドマン』 『わたしは、ダニエル・ブレイク』はワーキングクラスの困難を描いていましたが、この映画はグローバル資本主義の中に生きるホワイトカラーの…

わたしは、ダニエル・ブレイク

『麦の穂をゆらす風』などのケン・ローチ監督作!映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』予告編 見過ごしていた作品をやっと見ることができました。ケン・ローチの主題である行政システムと人間の尊厳との間の相克の問題に真っ向から向き合った作品で、素晴ら…

子どもたちの階級闘争

ノンフィクションマラソン、やっと15冊目です。素晴らしいルポです。 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から 作者: ブレイディみかこ 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2017/04/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) …