Random-Access Memory

(月3回以上更新目標)

ノンフィクションマラソン38冊目は『牙』です。 牙: アフリカゾウの「密猟組織」を追って 作者: 三浦英之 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2019/05/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 人間の欲望は動物の生命や尊厳をどこまで弄べるのか(p.1…

強制不妊

強制不妊――旧優生保護法を問う 作者: 毎日新聞取材班 出版社/メーカー: 毎日新聞出版 発売日: 2019/03/23 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る この本は、旧優生保護法による強制不妊手術に関する毎日新聞のキャンペーン報道をまとめた本です。旧優…

【ショート書評】アドルノ「文化批判と社会」を読み直した

文化批判は、文化と野蛮の弁証法の最終段階に直面している。アウシュヴィッツ以後、詩を書くことは野蛮である。そしてそのことがまた、今日詩を書くことが不可能になった理由を語りだす認識を侵食する。絶対的物象化は、かつては精神の進歩を自分の一要素と…

近況報告(2019年3月下旬-4月報告)

ご無沙汰しています。相変わらず自宅と職場の往復が続いていました。こういう状態だとなかなか書くことが見つからなくなります…。10連休となり一呼吸つけるのかなと思っています。たまっていた諸々のことを片付けていきたいと考えています。 昨日は、気分転…

インタビュー

久しぶりの更新です。ノンフィクションマラソン36冊目は『インタビュー』です。 インタビュー 作者: 木村俊介 出版社/メーカー: ミシマ社 発売日: 2017/05/20 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (4件) を見る ノンフィクションは、単に…

近況報告(2019年1月下旬-3月上旬)

なかなか、本を読む気力、記事を書く気力がわかないです。 最近、やったこととして特筆すべきことは、猫町倶楽部さんの『エチカ』読書会に初めて参加したことぐらいです。こういう読書会に参加しないと、なかなか本を読むことがなくなっています…。お恥ずか…

近況報告(2019年1月)

1月は職場と自宅の往復に埋没していました。デジタルガジェット買い替え第2弾をやったのですが、結構散財しました。私はガラケーとタブレットの2台持ちだったのですが、ガラケーをやめiphoneにしました。あわせて、アップルウォッチも試してみることにしまし…

狼煙を見よ

ノンフィクションマラソン35冊目は『狼煙を見よ』です。 狼煙を見よ:東アジア反日武装戦線“狼"部隊 作者: 松下竜一 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2017/08/14 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る この本は、東アジア反日武装戦線…

近況報告(2018年12月下旬)

私は、28日で仕事納めでした。29日は所沢で旧友と会い、30日はデジタルガジェットの買い替え第1弾をやっていました。今使っているPCの動作が時々おかしくなることがあるため、LenovoのIdeapad330sに変えることにしました。また、インターネット回線をWiMax2…

三歩後退一歩前進シリーズ

よく言われる「つまらない私語り」ですが、不惑を迎え、自らを振りかえることにしました。また、日々の生活で考えたこと、改善していきたいことも書いていきたいと思います。自らの怠惰に喝を入れ、愚かさで滅び行く社会の中でも、快活に生きていける足掛か…

どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた

ノンフィクションマラソン34冊目は『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』です。友人との会話の中で教えてもらった本です。 どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた 作者: 吉田尚記,石川善樹 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリ…

近況報告(2018年12月中旬)

12月中旬も多忙でした…。 日本の生産性がG7の中で最低であるというニュースを目にしました。他の職場・部門で働いている人を見ると私はまだマシな方なのかと思いますが、定例的に超過勤務が続くと、健康面だけでなく、様々な面に悪影響が出るのではと恐れて…

目に見えない世界を歩く

ノンフィクションマラソン33冊目は『目に見えない世界を歩く』です。 新書862目に見えない世界を歩く (平凡社新書) 作者: 広瀬浩二郎 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2017/12/15 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る 近代以降、人類は「目に…

三歩後退一歩前進(その10)

よく自分の視線の向かう先を考えます。自分が俯きがちで、意識的に上を向いていないと猫背になるからです。 自分の昔を振り返るこのシリーズ、一旦、閉じたいと考えています。今、自分の視線を、「昔」ではなく「未来」へ向けないといけないと考えています。…

近況報告(2018年12月初旬)

最近、あまり本を読んだり、勉強したりできていないです。多忙が恒常化していますが、自分の時間をきちんと確保したいものです。 スマホやタブレットの普及に伴い、写真(更には動画も)を撮ることが簡単になったにもかかわらずあまり活用できていないので、…

「レジリエンス」の鍛え方

今までとは少し趣向が違う本となりますが、ノンフィクションマラソン32冊目は『「レジリエンス」の鍛え方』です。 世界のエリートがIQ・学歴よりも重視! 「レジリエンス」の鍛え方 作者: 久世浩司 出版社/メーカー: 実業之日本社 発売日: 2014/02/28 メディ…

沸点

ノンフィクションマラソン、31冊目は『沸点』です。史実そのものではないですが、史実を基にしたグラフィックノベルです。 増補版 沸点ーソウル・オン・ザ・ストリート 作者: チェ・ギュソク,クォン・ヨンソク,加藤直樹 出版社/メーカー: ころから株式会社 …

劇場版若おかみは小学生!

劇場版「若おかみは小学生!」予告編 ネットでの評判がよかったので『劇場版「若おかみは小学生!」』を見てきました。とても新鮮だったのは、ストーリーの中で、3つのベクトルが同時に多声的に働いている点です。 1つ目のベクトルは、主人公おっこが様々な…

現在進行形の道徳的戦場へヤングアダルトを連れていく~梨木香歩『僕は、そして僕たちはどう生きるか』論(後篇)

(前篇はこちらから) tsubosh.hatenablog.com (2)『僕は、そして僕たちはどう生きるか』 梨木は『君たちはどう生きるか』がブームになっている一因として、今の大人たちが昔の大人たちの「育む力」に圧倒されているからではないかと推測している。 我々は…

現在進行形の道徳的戦場へヤングアダルトを連れていく~梨木香歩『僕は、そして僕たちはどう生きるか』論(前篇)

梨木香歩著『僕は、そして僕たちはどう生きるか』は、理論社のウェブマガジンで連載された後、2011年(平成23年)に書籍化された本である。(本稿では、岩波現代文庫版を使用する。本文括弧内のページ数は岩波現代文庫版のものである。梨木香歩『僕は、そし…

人間の解剖はサルの解剖のための鍵である

ノンフィクションマラソンマラソン30冊目は『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』です。 人間の解剖はサルの解剖のための鍵である 作者: 吉川浩満 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2018/07/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を…

『ワンダーウォール』雑感

www6.nhk.or.jp 話題のTVドラマ『ワンダーウォール』を見ました。『ワンダーウォール』とは吉田寮廃寮問題を扱ったNHK京都放送局制作のTVドラマです。脚本が渡部あやさんということで、以前見た『その街のこどもたち』のことも思い出しました。 www.youtube.…

方丈記私記・方丈記

ノンフィクションマラソン28冊目、29冊目は『方丈記私記』『方丈記』の2冊です。実はこの文章は、「1冊の本を書くための「本の読み込み方」」という講座に参加して書いたものです。講座からは大変な示唆を受けました。それを含め、最近考えたことは別の記事…

軌道

前回の更新が4月末ですので、随分ご無沙汰になります。前回、上野英信の本を取り扱うと書きましたが、前言撤回して他の本を数冊紹介します。27冊目は『軌道』です。大変示唆に富む本でした。 軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い 作者: 松本創 出版…

三歩後退一歩前進(その9)

前回の記事で書き忘れたことがありました。せっかく東京に住んでいるので、いつかG1クライマックスを観に行きたい!なかなか、忙しくて行けないのです。 前回、大学時代に聴いていた音楽について書くと言いました。また、論が脱線してしまいますが、少し思う…

三歩後退一歩前進(その8)

そういえば、今年、私は厄年でした。男性は、満25歳、42歳、61歳に、災厄に逢いやすいと言われています。迷信深くはないのですが、この頃、散々な目にあっているため、厄除けに行ってきました。 さて、満25歳の頃を思い返したとき、その頃もなんか行きづまっ…

追われゆく坑夫たち

年度末&年度始めと忙しく全く本が読めませんでした。ただ、社会人ならこのような時期があるのは仕方ありません。ぼちぼちでも本が読める環境に感謝して、再スタートです。日本の代表的な記録文学もコツコツ読んでいきたいと思っています。 追われゆく坑夫た…

沈黙、発話、発達~映画『デトロイト』を活動理論で読み解く(後篇)

(中篇はこちらから) tsubosh.hatenablog.com 2 映画『デトロイト』を活動理論で解読する 映画『デトロイト』は、1967年にデトロイトで起こった「デトロイト暴動(反乱)」(Detroit riot)を描いた映画である。ただ、その暴動(反乱)の全体像を描くとい…

沈黙、発話、発達~映画『デトロイト』を活動理論で読み解く(中篇)

(前篇はこちらから) tsubosh.hatenablog.com 1.2 『拡張による学習』 拡張による学習―活動理論からのアプローチ 作者: ユーリアエンゲストローム,Yrj¨o Engestr¨om,百合草禎二,庄井良信,松下佳代,保坂裕子,手取義宏,高橋登,山住勝広 出版社/メーカー: …

沈黙、発話、発達~映画『デトロイト』を活動理論で読み解く(前篇)

本稿では、フィンランドの教育哲学者ユーリア・エンゲストローム(Yrjö Engeström)が提唱する文化-歴史的活動理論(本稿では「活動理論」と短縮します。)について『拡張による学習』を中心に紹介するとともに(前・中篇)、2018年1月に日本公開された『デ…