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(月3回以上更新目標)

近況報告(2018年12月下旬)

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私は、28日で仕事納めでした。29日は所沢で旧友と会い、30日はデジタルガジェットの買い替え第1弾をやっていました。今使っているPCの動作が時々おかしくなることがあるため、LenovoのIdeapad330sに変えることにしました。また、インターネット回線をWiMax2+にしました。実は、引っ越し直後から自宅の回線が有線(!)でした。何故か無線の設定がうまくいかなかったのです。これで状況が少し改善されそうです。このように、私はかなりのIT音痴なのですが、少し思うことがあり、きちんと最新の状況もフォローアップしていきたいと考えています。そもそもブログを始めたのも、苦手なITに慣れるためでしたし。買い替え第2弾はモバイル機器を考えています。あとスマホ連動の体重計も欲しいなあ…。

来年の目標なのですが、今までやってきたことをきちんと継続することだけです。できることを1歩1歩ずつ進めていけたらなと思います。あと、このブログの読者をもう少しだけ増やしたいなとも。ともあれ、よいお年を

三歩後退一歩前進シリーズ

よく言われる「つまらない私語り」ですが、不惑を迎え、自らを振りかえることにしました。また、日々の生活で考えたこと、改善していきたいことも書いていきたいと思います。自らの怠惰に喝を入れ、愚かさで滅び行く社会の中でも、快活に生きていける足掛かりになればと思います。

その1: はじめに

その2: 学習塾文化の影響

その3: 学習塾文化の影響(2)

その4: デリバリー姉さんNEO、カフカ、後悔

その5: 苦手だった「夢」という言葉

その6: 『勉強の哲学』の変奏

その7: 法律と思い込み その7(おまけ): 結果が出ました

その8:怠惰な日々とプロレス発見

その9:それをどこで知ったの

(番外編):『ワンダーウォール』雑感

その10:視線を上へ

どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた

ノンフィクションマラソン34冊目は『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』です。友人との会話の中で教えてもらった本です。

この本は、予防医学研究者の石川善樹さんと、ラジオアナウンサーの吉田尚記さんの対談本です。「科学的に考える」とありますが、科学的知見が時折挟まれながら雑談が続く、ライトな感じな本となっています。最近、自分の考えていることとシンクロする点がいろいろありました。例えばこんな箇所です。

吉田:(・・・)僕は「夢」って言葉を安易に使うのが大嫌いだったんです。自分にとって都合のいい欲望を持つことがなぜ、きれいごととして検証を経ずに、まるで全員が合意しているかのように言われる。でも実現すべきビジョンが素晴らしいから「夢を持つ」必要があるわけじゃなくて、高い目標があると目の前のどうでもいいことが意味を持ち始める。将来のために夢を持つんじゃなくて、「今、ここ」の意味を増すために、夢を持つ必要があるんですよね。(p.195)

感情のチェックリストを作り自らの感情をモニタリングする必要性とか、自らの本当の欲望に忠実になるべきであるといった話も参考になりました。たまたま、最近、「欲望」ということを考え直したいと思い、十数年ぶりにドゥルーズ/ガタリを読み直していました。成果はしばしお待ちを、という感じですが、現代を生きる上で「欲望」が一大論点かもしれないとの思いが補強された感があります。

ちなみに、アカデミックな話で面白かったのは、次の箇所でした。

石川:でもダイエット研究って、学問の総合格闘技みたいなところがあるんですよ。体重がどういうふうに推移していくのかを解くためには連立微分方程式を使わなきゃいけないから、そのために数学を勉強しなくてはいけない。習慣に関することだから脳科学も知らないといけない。あるいは社会の中で貧しい人ほど太りやすいという社会的問題でもある。人生そのものの縮図がダイエットに集まっている。(p.99)

近況報告(2018年12月中旬)

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12月中旬も多忙でした…。

日本の生産性がG7の中で最低であるというニュースを目にしました。他の職場・部門で働いている人を見ると私はまだマシな方なのかと思いますが、定例的に超過勤務が続くと、健康面だけでなく、様々な面に悪影響が出るのではと恐れています。私自身のことをいうなら、考える時間やインプットの時間が取れないのが特にまずい気がします。固まった「時間」と「お金」がほしいなあ、このままだとジリ貧で自分の「生産性」が低くとどまってしまう気がします。今は、休日に何かイベントを入れて、最低限の時間の防衛と気を散らしています。また、コツコツでもブログをやって、自分を固めていこうと考えています。ちなみに写真は、再開したお料理教室での料理です。おいしそうでしょう。

12月末にかけてデジタルガジェットを大幅買い替え、お正月休みは帰省です。また下旬に、買い替え関連の記事を上げたいと思っています。

目に見えない世界を歩く

ノンフィクションマラソン33冊目は『目に見えない世界を歩く』です。

新書862目に見えない世界を歩く (平凡社新書)
 

近代以降、人類は「目に見える」世界を拡張するのが進歩なのだと信じてきました。(中略)「目に見えない」世界の入口へと僕を案内してくれたのは、研究で出会った琵琶法師・瞽女など、盲目の宗教・芸能者です。そして、博物館でユニバーサルな(誰もが楽しめる)「さわる展示」を企画・展示する経験を通じて、僕は「目に見えない」ものの意義を実感しました。(p.44)

昔、この著者が書いた岩波ジュニア新書を読んでとても面白かったので、この新書も読んでみることにしました。

さわっておどろく!――点字・点図がひらく世界 (岩波ジュニア新書)

さわっておどろく!――点字・点図がひらく世界 (岩波ジュニア新書)

 

 『目に見えない世界を歩く』は、「全盲」となった筆者が自身の半生を振り返りながら、彼自身の現在の考えをまとめた本です。この本では、第1章の「目が見えない人は、目に見えない世界を知っている」というタイトルのとおり、視覚が重視されがちな現代社会の中での「触覚」や「聴覚」の重要性が説かれています。さらに、著者は、勤務する博物館(民博)で、展示のあり方を変えようとします。展示は、モノを「見せる」ことが一般的だと思うのですが、モノに「触れる」機会を提供するのです。本書では、資料保存との両立や、入館者の触れるマナーについても触れられていて、公共機関での展示に(少しだけとはいえ)興味がある私は興味深くその点を読みました

そして、私はこの本の「映画のバリアフリー上映会」の箇所を読んで、祖母のことを思い出しました。私の母親は韓流ドラマが大好きで、私が帰省中もずっと見ているのですが、字幕をずっと読み上げているのです。初めは何をしているのかよくわからなかったのですが、途中から字があまり読めない祖母のために読み上げていることがわかりました。祖母は字幕でなく母親の音声を介して映像を見ているのです。それは字幕を読む私たちの映像経験と同一なのでしょうか。視覚障害者の方が音声ガイドを頼りに映画を<みる>とき、視覚で捉える映像経験とは異なっているはずです。この本は、感覚の多様性や相互の翻訳についても考えさせられる本でした。